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競技会講評
3月16日 ジャパンカップ・グランプリ/プロフェッショナル・ラテンアメリカン講評
クワバラダンススクール/桑原 明男
			

アジアオープン選手権並びにアジア各国でのアジアシリーズ競技会への参加を終え、それなりの疲れ
を感じながらの競技会となりトップ選手にとって苛酷な競技で有った事と思う。しかし、競技会への
参加に際しそのような思いは関係ないので、私の一方的な見方で見たままの自分の意見としてここに
記します。
まず初めに、多くの選手に共通して言える事は、自分達のルーティンの持つ細かい運動動作への理解
が浅いために闇雲に動いているようにしか見えない組が多く見受けられると言う事です。
自分達のルーティンを動き始めるために必要な準備動作やバランス位置、そしてその準備に必要なタ
イミング、更にリーダーにおいてはパートナーに関してのバランス位置やタイミングの把握等・・・
様々な、ルーティンを踊るために必要な条件があります。例えば、人の体の動作の中で椅子に座ると
いう単純な動作の中にも様々な運動動作や筋肉運動の時差(タイミング)があります。そのような複
雑な運動動作への理解感をいかに自分達のルーティンの中に取り入れて踊って行けるか言う事が重要
であると思います。これより、気がついた選手に対して気になった言葉を列挙しますが、時間がなく
て書ききれなかった選手にはまた次回に…という事でご容赦ください。


 (1)よく踊っていると思いますが、運動する為の軸をもう一回考え直してみたらと思います。
        身体の中の軸のズレにより体の動きにキレが見えなくなっている様に見えました。そして、
        自分達にはどんな魅力があるのだろうかという疑問を持って欲しいと思います(失礼な言
        い方だったかもしれませんが…)。もっともっと魅力的に見えるように様々な勉強を取り
        入れて下さい。

 (2)日本人の中では非常にスタイルの良いカップルです。多くの審査員からも好感をもって受
        け入れられる選手だと思いますが、ブレイクがあってから一昨年当時の素晴らしい輝きを
        持っていた状態まではまだ戻っていない感じがします。一見して良い結果が付けてもよい
        感じがしましたが、よく見て行く中で音楽的な運動動作やカップル間のテクニカルな面に
        不十分な状態が見受けられます。自身の運動能力に頼らずにじっくりと基本的な練習を重
        ねていって下さい。まだまだ慢心はいけません。

 (4)スタイルの良い好印象の選手です、動きも軽快ですしこれからの成長を楽しみにしており
        ます。しかしながら、もっと自分達の身体の中に目を向けて運動エネルギーやバランス感
        をもっと充実させて、パワーやストロングさ感を押し出してゆく必要があります。

 (9)この組もよく動いている選手だと思います。しかし、身体の軸が前傾している為に上体の
        動作エネルギーが空回りしてしまっています。そして上体が固く見える。今後はもっと、
        自分自身のテクニカルな面でもっともっと基本的なバランス感や運動動作への理解を期待
        します。

(11)スタイルやセンスが良い選手と思います。ボディの柔らかさを保ちながらよく動いておりま
        す。しかし、身体の軸が歪んでいる為に動きがバラバラに見えましフットワークも雑に使っ
        ています。今後は、自分自身への基本的なテクニックを充実させて、よりパワフルによりス
        ピード感のある選手への成長を期待します。

(14)最近トップ選手として定着して来ているカップルです。「アジアオープン」においても好成
        績でした。海外審査員からの評価の方が良い結果が出ているようです。私から見ても、踊り
        へのセンスも良くコンパクトな音楽表現や踊りに向かう真面目な姿勢を感じます。これから
        も身体のブレをなくし、更にクリアーな音楽性とストロングなボディワークを研究し、柔ら
        かでパワフルな動きを研究して行って下さい。ともすると、パートナーの動きの準備動作が
        遅くなりフットタイミングが緩くなってしまう傾向があるが、さらに頑張って行って欲しい
        と思います。

(15)大柄なカップルで良く目立っていると思います。しかし、いつもバランスを両足の真ん中に
        置いて動いている為に、踊りに自分達の持つ大きさを表現できず垂直軸の緩みを見せてしま
        う結果になっています。少し前までは、その踊りで良かった時期でしたがこれからは、もっ
        ともっとコンパクトなスタンスを保ちながら爪先まで繋がる高いバランスを感じながら踊れ
        るよう勉強して頂きたいと思います。体の緩みが大きくなると綺麗でなくなります。

(20)このような選手をJDCの選手として迎えられた事は、非常にうれしい事であると思う。
        今日の競技会の中でも他の選手とはレベルが一段抜けている。リーダーにおいては相当に身
        体を絞って(ダイエット?!)きており、パートナーとの体のバランス感を揃えて来ている
        ようで「アジアオープン」の時より踊りとしても合って来ているように見えた。キレのある
        タイミングや安定したバランス感など素晴らしいと思います。彼の踊りの特徴として、ボデ
        ィをストレートに保つことが多いのでラテン特有の「キューバンアクション」が薄れてしま
        っている為に審査員からは好き嫌いで判断されてしまう事もあると思う。このようなカップ
        リングとして、パートナーも良い勉強の機会を得たと思うし、このような機会を利用し更に
        自分を高めていって欲しいと思います。しかし、体重を落とし過ぎているように感じ、存在
        感やパワー感に物足りなさを感じてしまった事も事実です。

(21)この組もよく動けるカップルとして期待している選手です。今回もよく動いていると思いま
        す。今後に向けてさらに頑張ってほしいと思います。やはり、成績結果に対しては慌てない
        で今の時期をベース作りの時期と思って頑張って下さい。近い将来、自分達に回ってくるチ
        ャンスに期待し、より音楽的でパワフルな踊りを目指してください。

(23)長身のスタイルの良いカップルです。昨年後半より良く目立ってきています。しかしながら、
        動きに際して身体の中の「ギアの数」が少し足らないように思います。もっと、ベース的な
        動作の研究をして行かなければなりません。もっと細かく基本ベースを見直して下さい。

(26)身長差が大きいカップルですが、よく踊っている選手です。一時期のくすんでいた時期から
        少し抜けてきた感はありますが、もう少し期待して見守って行きたいと思っています。考え
        方として、身長差の違いは見た目でカバーしようの無い事です、それに伴うタイミングなど
        の違いも当然多きいと思います。しかし、そこに工夫や創意により自分達にしか出せない表
        現を探してほしいと思います。カップルとして踊る事とはいえ最終的には一人ずつの運動能
        力の成長と充実をはかってください。

(32)トップ選手としてキャリアのある選手です。私にとっては割と好きな選手のひと組です。
        しかし、この組のテクニカルの問題なのかどうかはわかりませんが、バランスがフラット過
        ぎるためか音楽的な表現や動作の中にクリアーさが見えません。バランスが両足の真ん中だ
        けで保たれている為に体重移動による音楽性や爪先まで神経が行き届くようなフットタイミ
        ングが無くなってみえます。だからもっと身長の高い状態で踊って行くべきだと思うのです
        が…勿体ない感じがします、これからも頑張ってください。

(34)小さいながらよく見える選手です。しかし今回は、背中が少し丸まっているようにみえ動き
        の硬さを見せてしまっていました。自分の身体を支えるのは背骨です。もっと意識して研究
        してみて下さい。

(38)この組もトップ選手として定着している組です。踊りに対するセンスも良く綺麗なカップル
        として良いと思います。しかし、手抜きに見えるような動きが多く見受けられるのが気にな
        ります。音楽の中に自分を置かないで、適当に合わせているだけ感じがするのが印象です。
        だから、フリーアームも隙が多くボディリズムも感じない(ボディの揺らしとボディリズム
        は違います!)…こんな印象です。競技会により良く踊っている時も見えるのですが、トッ
        プ選手への言葉としては申し訳ないのですが、私として今回は余り良い印象は受けませんで
        した。

(44)スタイルと踊りのセンスの良いカップルだと思います。このところ、カップルとして浮いて
        見えて来ていないのが心配です。ストロングさと硬さの理解をもっと考えてほしいと思いま
        す。もう一度、ベーシックにおける基本的な動作と音楽性を研究してみてください。

(50)この組も好きなカップルのひと組です。ストロングなボディワークやコンパクトなタイミン
        グが魅力です。しかし、見方により身体の硬さや魅力不足を欠点に捉えられやすいかも知れ
        ません。その点で審査も分かれる事と思います。この組のこれからの課題として、もう少し
        自分自身の体重と身体の中心軸から手足などの末端までの運動のためのタイミングの時差を
        熟慮し、身体の持つ柔らかさを少しずつ見せてくれればと思います。今後も期待しておりま
        すので頑張ってください。

(52)よくリハーサルされて良く見えるカップルであったが、このところ輝きが見えなくなってい
        るように思える。リーダーやパートナーがそれぞれの音楽の中で自分の動作に責任を持ち、
        そしてそれぞれの動作をこなして行かなければなりません。もっと、お互いに相手のバラン
        スやタイミングをもっと感じながら踊りを作って行って欲しい。

(61)音楽的な運動センスの良い選手です。しかし、カップルとして動きに慣れが出て来てしまっ
        て居るのか分かりませんが、このところ動きに緩慢さを感じます。もっとベース的な動作を
        勉強し体重の移動やフットワークへの理解を充実させ、よりエレガントな表現を醸し出せる
        踊りに向かってほしいと思います。例えばウオークの中で、爪先までの動きが完成されてお
        らず土踏まず辺りで次への体重移動に移ってしまっています。

(65)アマチュア時代よりスタイルとセンスの良い選手として注目されていたカップルです。よく
        動いていると思いますが、今回は自分自身への集中力が薄いのか良く分かりませんが動きが
        少し散漫になっている感じがします。回転運動や前進後退等の動作において身体のエネルギ
        ーが集約できず中途半端な状態で動いていますので、競技会に向けての気持の持ち方なども
        これからの研究の一つにしても良いかも知れません。

(68)今やJDCのトップ選手として我々が一致し、彼らの活躍を後押して行かなければならない
        選手のひと組です。スタイルも良く運動能力のある選手です。しかし、彼らの踊りの中に自
        分達の能力による踊りに頼ってしまっている状況を感じます。充分に勉強している事とは思
        いますが、これから外国での活躍する為の条件であります基本的な運動能力の養成や、アー
        ムを含めたボディワークのトレーニング等もまだまだ中途半端な感じがします。彼ほどの身
        体を持っていれば、もっと世界に飛び出せるような勢いを感じさせて欲しいと思っています。
        いつもの事なのですが私個人として、彼らには会うたびに苦言しか言いませんが、頑張って
        ほしいという期待感です・・・。

(70)よく動ける選手です。しかし、自分の範囲をはみ出しながら動いてしまうためにうるささを
        感じてしまいます。身体の軸をもっと感じて運動エネルギーを有効に使えればバネの有る選
        手に見えるのですが・・・。もっとシンプルに見えるように研究して下さい。


総評として、自分達の身体の中身(バランスや運動軸等)を十分に理解して欲しいと思います。「ア
ジアオープン」後の「ワールドコングレス」においても素晴らしいレクチャーが行われていた事もあ
り、質の高い踊りを目指して自分自身への挑戦をお願いしたいと思います。
我々、審査員としても今までの自分達の理論に固着せずに、世界の踊りの流れを把握しより選手とし
て完成度の高い質の高い踊りを目指せるような審査をして行ければ良いと思います。





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